生物は、温度変化、酸素濃度の変動、栄養状態の変化、酸化ストレス、DNA損傷など、多様なストレスに常にさらされている。これらのストレスに対して、生体は分子・細胞・組織の各階層で応答機構を作動させ、恒常性の維持や適応を図っている。
本講義では、翻訳制御、タンパク質品質管理、酸化・低酸素応答、DNA損傷応答、代謝応答、ミトコンドリア応答などの即時〜中期のストレス応答から、細胞死、細胞老化、慢性炎症、エピジェネティック変化といった長期的に定着する応答状態までを、時間軸と階層性の観点から体系的に理解することを目的とする。
さらに、疾患や老化を「特殊な例外」としてではなく、ストレス応答が慢性化・破綻した帰結として捉える視点を養い、生命現象を動的かつ連続的なプロセスとして理解する基盤を身につけることを目指す。
- 教師: 杉江 淳
